【9/15(土)開催!】 トクマルシューゴ特別インタビュー

 

2018年9月15日(土) 、たましんRISURUホール大ホールにて開催する
「トクマルシューゴ Special Live with Orchestra」
自身初となるオーケストラとの共演コンサート開催が既に大きな話題となり、
ファンの期待が高まっています。
しかし、立川には初めてお迎えするトクマルシューゴさん。
そもそもどんなアーティスト?という方も少なくないはず。
財団では、本番を前にご本人に特別インタビュー。
トクマルさんを知る方も知らない方へも、
ここでしか知り得ないエピソードを交えてご紹介いたします!

 

「トクマルシューゴ」とは? 

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東京都生まれ。ギターを中心に、多重録音を用いて実験的なポップミュージックを生み出す音楽家。リコーダー、アコーディオン、ピアニカ、笙、大正琴、シタール、ハーディ・ガーディ、トイピアノ、鉄琴、ベル、鈴、のこぎり、水…世界中の楽器から「おもちゃ」まで、まさに無数の音を操る。言葉を自在に遊ばせるような歌詞や、アニメーション等を用いたミュージックビデオにも独特の世界が広がる。

無印良品、CANON、森永製菓、CHANEL、バンクーバーオリンピック公式スポットなどのCM音楽、井の頭公園が舞台となった映画『PARKS パークス』、楳図かずお原作の舞台『わたしは真悟』の劇伴などジャンル横断的にさまざまな音楽を担当。2004年、アメリカのレーベルから1stアルバムをリリースしてデビュー。その活動はアメリカやヨーロッパでいち早く評価を受け、日本に先行する形で海外での活動を重ねてきた。その後も国内外でのリリースやライブ・フェス出演、楽曲制作を数多く行っている。
オフィシャルサイト

 

早速ですが、トクマルさんが音楽を始めたきっかけは?

小学校に入る前にピアノを習い始めました。兄がピアノを習っていたので家にピアノがあり、友達が弾いているのを見てかっこいいなと思ったのが始まりです。最初はクラシックや教則本から。14歳くらいのときにギターを弾き始めました。

ギターに興味を持ったのはなぜ?

初めはギターの構造自体に興味を持ったんです。どうやって音が鳴っているんだろう?なんで弦が6本なんだろう?とか。次にギタリストの技術に、それから音楽の構造に興味を持ちました。バンドをやろうという気持ちは当時一切なかったのですが、弾くのが上手くなってくるといろんなバンドに誘われ出して、それで自然と音楽を作ったりするようになりましたね。

その頃どういった音楽を聴いていましたか?

まんべんなく聴いていました。ギターを始めたばかりのころはすごいギタリストのいるバンドを聞いて…主に海外の。音楽好きな友達も多く、60~70年代の音楽をみんなで聴いていました。イギリスのバンド『The Kinks(ザ・キンクス)』が大好きで。他にはプログレやサイケデリックな音楽に、すごく惹かれていました。「こういう音楽をやっている人たちは、いったいどういう素養がある上で創っているのだろう?」と思っていろいろ調べていくうちに、彼らのルーツにジャズやクラシックがあることを知って、それらも聴き始めてどっぷりはまっていって…という感じでした。

現在は「ポップ・マエストロ」などと称されることがありますが、ご自身の音楽のジャンルは意識していますか?

特に意識はしていないんですが、一方で何か一つに決めたいな、という気持ちはずっとあるんです。探してはいるんですけどね。自分で決めたいですけど、人から「こうだ」と言ってもらっても大丈夫です(笑)。

トクマルさんの音楽では、膨大な種類の楽器、おもちゃなど楽器でないものを使うことが大きな特徴かと思います。楽器ではないものを使うときは、その音を聞いて「使ってみよう」もしくは「こんな音がほしい」どちらのきっかけで使うのでしょうか。

両方のパターンがありますが…コレクター気質に近いような感じですね。気になったものを見た目だけで使い方もわからないまま買って、弾いてみた音を自分の中にストックしておいて、必要なときに取り出して使ってみる、ということが多いですね。

今まででおもしろかったものは?

たくさんありますが、最初の頃はやっぱりのこぎり(ミュージック・ソウ)などはおもしろかったですかね。当時は10代でしたが、「これを録音していいんだ!」と、不思議に思いました。

さまざまなものの鳴る音を多重録音したり、技巧的なギターテクニックから、ストイックなイメージもあるトクマルさんの音楽ですが、同時に、一度聴いたら頭に残るようなキャッチ―な歌詞や軽やかな歌声は、誰もが聴きやすいだろうと思います。歌を歌い始めたきっかけは何だったのでしょう?

もともと自分で歌うつもりはなくて、制作する楽曲にも仮歌のつもりで自分のボーカルを入れていたんです。誰かいいボーカリストがいたら歌ってもらおうという気持ちでずっといて、いまだにそのままで(笑)。当時聴いていたような60~70年代のボーカリスト像にずっと憧れています。

 

combined今年6月放送のNHK『ららら♪クラシック』スティーブ・ライヒ特集にも出演。「ライヒの実験的な性分にとても憧れる」のだとか。

 

立川との不思議なつながり

立川でのライブは初めてとのことですが、立川にはどんなイメージをお持ちですか?

正直小さい頃は、基地の隣街、というくらいしかなかったですね…(苦笑)。でも大人になってからは、知人が住んでいたりしてよく行くようになりました。バンドにも立川出身、在住のメンバーがいます。「住みよいよ」とよく言われますね。そういった人たちのおかげで、良い印象が強いです。人とのつながりを感じる街ですね。
例えば、『ロバハウス(立川市幸町、玉川上水の遊歩道沿いにある建物。古楽とあそびの楽団『ロバの音楽座』の活動拠点でありコンサートも開催される場所。)とか素敵ですよね。あんな立地に、すごい場所があるんだなあと。『ロバの音楽座』の皆さんはとても尊敬しています。『セプチマ(モノレール砂川七番駅近くのギャラリー。2016年に周辺地域再開発のため営業を終了。)にもよく行っていました。

実は、トクマルさんのお兄様が立川市役所にお勤めなんですよね。

そうなんです。兄とは年も離れているし、自分にとって常に、何をやってもかなわないな、すごいなという存在でした。そもそも立川や多摩周辺のことを知るようになったのも、コレクター気質になったのも、おそらく兄の影響なんですよ(笑)。子どもの頃に兄から「何か集めてみれば?」と言われた記憶があって、子ども心に「人は何か集めなきゃいけないんだ」という思い込みにとらわれたことから始まった気がします。兄は別に何かを集めていたわけではなかったのに(笑)。
聴く音楽などの影響は全くないのですが、身近にすごいなと思える兄がいて、自分には何ができるかなと考えたときに、音楽を好きになって、のめり込んでいったのだと思います。

 

              UFOの映像を集めてアーカイブしていたこともあったそう。
            「昔は下手なCGも多くて、そういうのを見るのが好きでした。UFOが存在し
             ているかどうかはどうでもよかった(笑)。切手を集めていたこともあったし。」

 主催者としても、立川市民の皆さんに初開催のアーティストを紹介できることと、このコンサートがきっかけでファンの方々に立川に訪れていただけること、どちらの意味でも、開催できることを嬉しく思います。

不思議なご縁、巡り合わせですよね。初めは「なんで立川で?」と自分でも思いましたが、妙に腑に落ちる部分もあって。RISURUホールは響きも良いし、なんというか、開けている感覚がよかった。あと、「ここはこういう音楽を演奏する場所」という特定のカラーがない感じも良いですね。
ホール公演は何度かお声がけいただいたこともありましたが、自分からホールでやろうと思ったのは初めてでした。オーケストラとの共演はいつかやってみたいと時期を見計らっていたし、RISURUホール自体を気に入ったこともあり、このご縁を大切にしたいなと思いました。

 

 

10th_610th_8トクマルシューゴ10周年記念公演『Night Piece完全再現+α』 2014年・東京グローブ座にて。

 

tonofon13_175 のコピー自身主催の『トノフォンフェスティバル』2013年・所沢航空記念公園野外ステージにて。
屋外フェスへの出演も多い。

 

 

一夜限りの、自身初のオーケストラとのコンサート

今回、バンドは6人編成(ギターボーカル/ベース/ドラム/トランペット・鉄琴・スティールパン・ピアニカ・アコーディオン・おもちゃなど複数を演奏するメンバー3名)、オーケストラは13人編成(ピアノ/ヴァイオリンⅠ・Ⅱ/ヴィオラ/チェロ/コントラバス/トランペット/ホルン/トロンボーン/フルート/ファゴット/クラリネット/オーボエ)と、ステージ上は最大19名で演奏します。また、装飾にもこだわって創り上げるステージになりそうです。

もともとある曲のオーケストラアレンジや、オーケストラだけの曲、ソロに近いものなど、いつもと違ういろんなことをやってみようと思っています。でも、いつも通りのベーシックなこともやるつもりなので、初めての方にはトクマルシューゴの音楽をまるごと聴いていただけるコンサートになると思います。装飾には本物の木や花をあしらって、どう完成するか自分でも楽しみです。本当にたくさんの方に来ていただきたいと思っています!

 

トクマルさん、ありがとうございました!
コンサートのことをもっと知りたい方は、オーケストラを率いる上水樽力さんとのスペシャル対談こちらからお読みいただけます。
立川でしか見られない特別な公演を、ぜひお見逃しなく!

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