いよいよ閉幕が近づきました。今回の邨田丹陵展の開催は大変貴重な機会となります。邨田丹陵とはどんな画人だったのが、彼はどのような作品を生み出したのか、様々な思いや系譜を感じていただけたら幸いです。遠方からもたくさんの方にお越しいたいております。引き続き丹陵氏の研究や調査を続けて参りたいと思います。
3月31日までの会期となります。ぜひ間近でご覧いただけたらと思います。
後期展は、前期展に展示した作品は全て入れ替え、邨田丹陵はじめ義兄の寺崎廣業との共に制作した作品も前期より多く出品します。昭和期に入って制作した砂川家に伝わる《霊峰富嶽図》は幅2メートルをこえる大作です。丹陵の息づかいが伝わるような渾身の作品32点をご覧ください。会期は2月24日から3月31日までです(月曜日休館)。《大政奉還下図》の公開は終了しました(後期にもパネル展示はあります)。
前期展のハイライトをえくてびあん3月号で取材いただきました。前期をご覧になれなかった方も是非ご一読ください。たくさんの作品が写真にておさめされています。
中央画壇から距離を置き、東京府下の北多摩郡砂川村(現在の東京都立川市砂川町)で半生を過ごした絵師 邨田丹陵(むらた・たんりょう)に焦点を当てた、本格的な長期間の展覧会。やまと絵の伝統を継承しつつ進化を極めた丹陵の作品の数々に出会えます(画像の無断使用は著作権保護の関係上ご遠慮ください)。
邨田丹陵は明治5年に東京に生まれました。幼い頃から絵や有職故実を学び、やまと絵師・川辺御楯に師事しました。北多摩郡砂川村には若い頃から関わりがあったと言われています。明治時代後半まで画壇で様々な作品を出品しました。義兄には寺崎廣業がおり、岡倉天心や小堀鞆音等とも関わりがありました。大正時代に入り砂川村に転居します。砂川村でも画業を続け、《大政奉還図》等を描きました。砂川村の丹陵宅には鏑木清方、與謝野晶子、徳富蘇峰等が訪れたと言われています。昭和15年1月没。享年69
邨田丹陵《巴御前図》部分 個人蔵 後期展示(2/24~3/31)
邨田丹陵《雲上鍾馗図》部分 個人蔵 後期展示(2/24~3/31)
邨田丹陵《両雄会湖畔図》部分 砂川家蔵 後期展示(2/24~3/31)
会期 前期:2024年1月13日(土)~2月18日(日)
後期:2024年2月24日(土)~3月31日(日)
会場 たましん美術館(多摩信用金庫本店1階 立川市緑町3-4)
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)
入館料 ¥500 ※中学生以下無料。未就学児は入場できません。
¥300(高校生・大学生)
展示作品リスト
主催 (公財)たましん地域文化財団、(公財)立川市地域文化振興財団
助成 文化庁、(公財)三菱UFJ信託地域文化財団、(公財)花王芸術・科学財団